森林総合研究所研究報告
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論文
ポータブルガス分析計による保存されたガスサンプルの分析:クローズドチャンバー法におけるガスクロマトグラフによるガス濃度測定を代替するより迅速な手法の提案
阪田 匡司 森 大喜 橋本 昌司
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2025 年 24 巻 2 号 p. 95-101

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抄録
クローズドチャンバー法では、ガスサンプルを真空バイアルなどの密閉容器内に保存し、サンプル中のメタン(CH4)および二酸化炭素(CO2)濃度を測定することでガスフラックスを算出する。このガス分析は従来、主にガスクロマトグラフ(GC)によって行われてきたが、本研究では、ポータブルガス分析計(PGA)を用いたより迅速なシステムを構築し、その妥当性を検討した。キャリアガスとして窒素を用いた流路と、セプタム付きガスインジェクタに接続されたABB LGR-ICOSガス分析計を使用してガス分析システムを構築した。PGAベースのシステムを用いたガス測定の直線性は、既知濃度のCH4およびCO2ガスをシステムに注入し、ピーク高さを測定することで評価した。その結果、非常に高い直線性が確認され、R2値は0.999を超えた。また、ガス測定の再現性も高く、変動係数(CV)はすべて3%未満であった。さらに、PGAベースのシステムの妥当性を検証するために、ガスクロマトグラフィー(GC)による測定結果との比較を行った。その結果、システムの測定値はGC測定値と高い相関を示し、R²値は0.995を超え、PGAベースのシステムで測定されたCH4およびCO2濃度はGCで測定された値とほぼ一致した。これらのことから、今回の研究で構築したPGAベースのシステムは、密閉容器内に保存されたガスサンプルのCH4およびCO2濃度を測定するためのより迅速で信頼性の高い手法であると結論づけた。
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