2019 年 69 巻 3 号 p. 233-236
難治の滲出性中耳炎に対し,鼓膜への換気チューブ留置(鼓膜チューブ)が行われるが,短期間でのチューブ脱落や,鼓膜穿孔の合併症が問題になる.近年,外耳道皮膚を経由してチューブを挿入する,subannular tube(SAT,外耳道チューブ)留置が報告された.鼓膜チューブより長期間の留置が可能で,鼓膜を介さないため穿孔の心配がない.外耳道チューブで良好な結果が得られた,難治の滲出性中耳炎の治療経験を報告し,外耳道チューブの適応と,鼓膜チューブとの比較について考察する.