2022 年 72 巻 2 号 p. 153-157
目 的:がん治療医には,若年患者に対して治療による妊孕性への影響について情報提供をし,妊孕性温存に関わる意思決定を支援する役割がある.生殖医療部門のない当院での若年性乳癌診療におけるがん・生殖医療連携について検討する.
方 法:2013年1月~2019年12月に埼玉県立がんセンターで手術を施行した40歳未満の若年性原発性乳癌症例を対象とし,臨床病理学的因子,がん・生殖医療の現状を診療録から調査した.
結 果:対象168例は年齢26~39(中央値36)歳,ER陰性HER2陰性乳癌が20%と比較的多く,浸潤癌症例の69%に化学療法が施行されていた.挙児希望は未婚,既婚・子なし,子あり群で39%,68%,23%に認められた.乳癌診断後に8例に対して生殖医療が実施された.
考 察:挙児希望のある乳癌患者は比較的多く,がん専門病院ではチーム医療など既存の長所を生かしつつ,がん・生殖医療ネットワークを構築し活用することが重要である.