目 的：治療を受けることを選択した後期高齢がん患者の意思決定に影響する要因を明らかにし，主体的な意思決定を支えるための看護支援を検討する．
方 法：75歳以上のがん患者15名を対象に半構造化面接を行い，質的帰納的に分析した．
結 果：意思決定に影響する要因として，【今までの生き方による人生観】【安心感をもたらす医療者からの専門的なサポート】【家族や周囲の人たちとの相互関係】【高齢での治療に伴うマイナスな感情】の4つのカテゴリーが生成された．
考 察：家族や医療者からのサポートは意思決定を支持し，治療に伴うマイナスな感情は意思決定を困難にする要因であった．また，意思決定の根幹には今までの長い人生における生き方や信念が存在した．患者の主体的な意思決定を支えるための看護支援として，家族や周囲の人たちからのサポート体制を把握し相互理解を促すことや，患者の生き方や信念を受け止めて支持することが重要である．
