北関東医学
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症例報告
多発性横突起・棘突起骨折を伴った外傷性後腹膜血腫の1例
髙橋 真治辻 将明金村 秀奥田 洋一原 明弘山中 俊中村 優紀花香 淳一中山 弘道呉屋 朝幸
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2022 年 72 巻 4 号 p. 403-406

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抄録

 患者は40歳代,男性.3 mの高さから転落し,右腰背部を打撲,体動困難となり救急来院した.造影CTで多発性右横突起骨折(L2, 3, 4)および多発性棘突起骨折(L3, 4, 5)と,右腸腰筋周囲,右脊柱起立筋周囲,右腰背部皮下,右後腹膜腔に血腫を認めた.造影剤の血管外漏出像を認めなかったため血管造影検査は行わなかった.腰部固定帯による保存的入院治療を行い,17日目に軽快退院した.多発性横突起骨折に後腹膜血腫を併発するのは非常にまれであり,併発例には出血性ショックの原因となりうる腰動脈損傷の評価が必要である.

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© © 2022, 北関東医学会
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