2023 年 73 巻 3 号 p. 229-230
日本国内では精神科診療において,作業療法の発展とともに園芸療法が広く行われてきた.園芸療法は幅広い精神疾患のみならず児童全般に対しても治療効果を持つことが報告されており,自然に触れながら,屋外において目的をもって体を動かすことや,野菜や花を育てて収穫した野菜を食べることは,精神疾患患者の本来持っている能力を引き出すとともに自然な感情の表出を促すことができる.群馬大学医学部附属病院では2022年に畑の設営が認められ,本格的な園芸療法が行われている.群馬大学医学部附属病院の園芸療法は入院生活から退院後の生活に向けて,スムーズに移行できるように活用され,今後も精神科診療の一つの治療法として担っていくことが期待される.