北関東医学
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症例報告
コーラによる溶解療法が奏功しなかった柿胃石による腸閉塞の1例
埴生 典秀中川 真理松枝 亜美数井 真理子三上 敬文竹内 瑞葵野田 大地名取 健松尾 亮太
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キーワード: 柿胃石, コーラ, 小腸閉塞
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2024 年 74 巻 2 号 p. 153-157

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抄録

 症例は68歳の男性で1年半前に胃癌に対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(Billroth-I法再建)を施行した.嘔吐,腹痛を主訴に当院を受診し,CTでair bubbleを含んだ楕円形の残渣が十二指腸に見られた.症状発症前に柿を摂取した経緯があったため柿胃石による腸閉塞を疑った.入院時のCTで胃石が空腸に移動しており腸閉塞を来していたため,イレウスチューブを留置しコーラによる溶解療法(以下コーラ療法)を5日間施行した.しかし,柿胃石の大きさに変化は認めず,コーラ注入時に腹痛を訴えるようになったため手術を施行した.腹腔鏡補助下で空腸を体腔外に挙上し胃石を摘出し,術後14日目で退院となった.近年柿胃石に対する腸閉塞症例にコーラ療法を行った報告が散見されるが,手術が必要となる報告も多くいまだ手術が第一選択と考えられる.コーラ療法は胃石の腸管圧迫による腸管壊死などの合併症もあるため,コーラ療法を施行する場合は手術の選択肢を常に念頭においておくことが肝要と思われる.

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