2025 年 75 巻 3 号 p. 265-276
目 的:急速な少子高齢化に対応していくため,ソーシャル・キャピタル(以下,SC)の醸成は重要である.日本における高齢者の健康に資するSC研究の動向を明らかにすることを目的とした.
方 法:3つの文献データベースを使用し,「高齢者」and「SC」で検索した.重複文献および除外条件に該当する文献を除外し,79件の文献を対象とした.文献発行年,研究の種類,主な研究内容,対象地域や対象高齢者の特徴,SC指標(質問項目・尺度)ごとに整理した.
結 果:9割以上が量的研究であった.研究内容は生活機能や社会参加(40件)が多かった.調査は多様な地域で行われ,4割以上の文献で対象者にADLの条件を設定していた.SC指標として69文献が引用されていたが,引用したSC指標が明確でない文献もあった.
結 論:今後は地理的文脈等を考慮した分析が行えるよう,地域やグループの特性に沿った実装的な研究が期待される.