2026 年 76 巻 2 号 p. 207-210
ネマリンミオパチーは先天性ミオパチーの一つで,重症例では新生児から筋緊張低下や呼吸障害,嚥下障害を認める.今回,遺伝子変異で早期に診断に至った新生児例を経験したため報告する.症例は在胎41週0日,出生体重3,380 g,Apgarスコア8─9で出生した女児.出生後より哺乳不良,呼吸障害を認め日齢1に新生児搬送された.入院後も嚥下障害は改善せず,SpO2低下や徐脈を頻回に認め,高流量鼻カニューラ酸素療法や酸素投与などを行ったが効果は不十分であった.頭部MRI,血液検査,尿中有機酸分析,脊髄性筋萎縮症(SMA; Spinal muscular atrophy)遺伝子検査で異常を認めず,染色体G分染法は正常女性核型であった.以後も筋緊張低下,嚥下障害は改善せず,先天性ミオパチー鑑別のため先天性ミオパチー遺伝子検査(かずさDNA研究所)を提出した.skeletal α-actin 1(ACTA1)遺伝子に既知の変異(c.203C>T,p.Thr68Ile)を認めネマリンミオパチーと診断した.先天性ミオパチー遺伝子検査は低侵襲でもあり,早期診断に有用と思われる.