北関東医学
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ラット顆粒膜細胞の Inhibin 分泌に対する Activin A とラットFSHの分泌増強効果
石本 一也
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1993 年 43 巻 1 号 p. 55-61

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抄録
ラット顆粒膜培養細胞においてactivinは単独でinhibin分泌を促進した (control17.2±4.4ng/mlに対してactivin500ng/ml添加時81.2±5.06ng/ml, P<0.01).ラットFSH (FSH) も単独でinhibin分泌を促進したが, FSH500ng/ml添加時のinhibin濃度は36.8±16.5ng/ml (P<0.05) で, activin添加時に比較して分泌促進作用は弱かった.さらに, このinhibin分泌促進作用はactivinとFSHの同時添加によって相乗的に促進された.inhibin分泌の最大濃度は, FSH30ng/ml, activin100ng/ml同時添加時の261.5±40.3ng/ml (P<0.01) とFSH300ng/ml, activin31.3ng/ml同時添加時の329.8±49.5ng/ml (P<0.01) であった.hCGとactivinの同時添加ではactivinの単独投与時と比較して有意な変化は認められなかった.activinとFSHによって増強されたinhibin分泌はEGF添加により抑制された.activinにより分泌促進されたinhibinは下垂体培養細胞に対して明かな生物活性を持つ事が証明された.
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