北関東医学
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West症侯群のACTH療法中における左心機能の検討
断層心エコー法による左室壁厚と拡張期左室流入波形
小須田 貴史曽根 克彦小林 富男篠原 真清水 信三小林 敏宏井上 佳也岡田 恭典
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1996 年 46 巻 4 号 p. 309-315

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抄録

West症侯群に対するACTH療法中には, 心筋肥大や心機能不全を呈することが知られている. West症侯群7例に対してACTH療法施行中に定期的な心エコー検査を施行し, 左心機能の検討を行った.左室短軸像における平均壁厚および壁厚変化率はACTH連日投与中に増大し, 投与量の漸減に伴い減少した.しかし拡張末期面積はACTH投与開始後に減少し, 一回拍出面積も減少する傾向が認められた.拡張期の指標とされる拡張早期最大血流速度(E)はACTH投与開始後に低下し, 左房駆出期最大血流速度(A)は上昇するため, その血流速度比(E/A)は低下が認められた.ACTH療法中には一過性ではあるが肥大型心筋症に類似した左心機能異常を生じる危険性があり, ACTH投与に際しては超音波検査などを定期的に行い, 心機能異常に対する十分な注意が必要と思われた.

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