北関東医学
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胆嚢・総胆管結石症に対するLaparoscopic surgeryの検討
家里 裕山田 保小林 功落合 亮橋本 直樹横森 忠紘
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1997 年 47 巻 5 号 p. 301-304

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抄録
腹腔鏡下胆嚢摘出術 (LC) 161例中15例 (9.3%) に総胆管結石を合併し, その内12例 (80%) が炎症を併発していた.術式は, 第一選択としている術前EST, EPDおよびESWL併用による総胆管切石後にLC施行が9例, 腹腔鏡下胆摘・総胆管切石術 (LCL) が1例, 癒着高度のため開腹術移行が5例である.総胆管損傷2例を含め, 腹腔鏡下総胆管一次閉鎖術を3例施行したが, 非胆管拡張例で1例高度狭窄を経驗し, 12Fr.ERBDチューブ留置による拡張術を必要とした.できる限り術前に総胆管切石を行い, その後にLCを行う事が安全であり, 経総胆管切開アプローチによるLCLは, 15mm以上の胆管拡張例が安全と思われた.EPDはESTに比べ手技的にも簡単で, 重篤な合併症もなく, 20mm以下の総胆管結石に有効である.炎症合併例は癒着高度でOrientationがつけにくいため, 術前ENBDチューブ挿入し, 術中胆管造影をくり返し行うことが, 胆管損傷防止に重要である.
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