抄録
【背景・目的】ヒスタミンH2受容体拮抗剤は広く術後患者に投与されるが, 特にシメチジンは免疫系に対する増強作用を有することが報告されている.免疫抑制状態にある胃癌術後患者におけるシメチジンの免疫能増強効果を, 他のヒスタミンH2受容体拮抗剤であるファモチジン投与群と比較検討した.【対象と方法】幽門側胃切除・D2郭清を施行した胃癌患者41例を対象とした.それらを, シメチジン (800mg/日) 投与群 (21例) とファモチジン (40mg/日) 投与群 (20例) の2群に分け, それぞれ麻酔導入時より術後第14病日まで連日投与した.NK細胞活性, CD3, CD4, CD8を術前, 術後第1, 第7, 第14病日に測定し, CD4/CD8を算定した.【結果】術後第1病日にファモチジン群でNK細胞活性とCD3が術前値にくらべ有意に低下したのに対し, シメチジン群では有意な低下を認めなかった.【結論】ファモチジンに比較し, シメチジンが術後早期の免疫能低下を抑制する可能性が示唆される.