抄録
【目的】重症の慢性動脈閉塞症では末梢動脈において多発性の閉塞が起こり, 四肢が急速に壊死に陥る。血管拡張薬投与, 交感神経ブロック, 高気圧酸素治療などにより病変の進行を遅らせることはある程度可能であるが, 既存の全ての治療法を駆使しても, 虚血肢の切断を余儀なくされる症例は少なくない.こうした症例に対して自家骨髄細胞移植による血管新生治療を試みた.【対象と方法】重症なバージャー病の5症例を対象とした.患者本人の骨髄から約500mlの骨髄液を採取し, 分離濃縮後, 虚血部位に筋注した.【結果】過去2年間に施行した症例では, 程度の差はあるが, 全ての症例において症状の改善が見られた.また, 一過性の局所浮腫以外には副作用は認められなかった.【結語】自家骨髄細胞移植は慢性動脈閉塞性疾患に対して有効な治療法であると考えられた.