高分子
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高分子の再低分子化の将来
藤本 武彦芝原 康夫
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1974 年 23 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
高分子化合物の低分子化の技術は,デンプンからブドウ糖の製造,タンパク質からアミノ酸の製造,ポリエチレンから低分子ポリエチレンの製造のように,高価値の低分子量物質を取得するための技術として発展してきた.このような低分子化の技術の流れは,最近社会問題としてクローズアップされている廃棄プラスチック処理のための技術へと発展しつつあり,注目されている.廃棄プラスチックの低分子化の有効な技術として熱分解と光分解が知られているが,熱分解法については主として廃棄プラスチックを安価に処理するという観点から装置面を中心に技術開発が活発になされている.現在は主として燃料油として回収しようという試みがなされているが,分解生成物の品質など満足すべき段階ではない.今後は石油資源枯渇問題から,廃棄プラスチックの資源としての再生利用ということに力点をおいた技術開発が行なわれていくものと思われる.
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© 社団法人 高分子学会
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