抄録
廃高分子とくに廃プラスチックはごみ中の厄介物とされ, その処理対策をめぐって技術開発や検討が活発になされてきた.最近プラスチック自体の需給のアンバランスや他の資源,エネルギーの不足が目立ち,廃プラスチックを高分子のまま再利用するか,低分子化して利用するかして一石二鳥を狙う方向が加速されてきている.ここでは高分子のまま工業製品として利用することに焦点を絞って将来を展望するが,とくに最近産業系廃プラスチックを原料とする再生事業の急伸ぶりが注目されているので, その状況を述べ, 問題点と対策を検討することが前提となる.杭や牧柵を廃プラスチックからつくることがこのようにさかんなのは日本独特であり,海外にもその例を見ないが,原料から製品までのシステムづくりには多くの問題を抱えており,今後の関係方面の協力を必要とする.