抄録
Al2O3⁄Y3Al5O12共晶体は、耐熱・耐酸化強度材料の有力候補として注目を集めている。Al2O3成分の3mol%および5mol%をSc2O3 で置換すると、典型的な共晶体文象組織は、文象組織を有するラメラが積層する複雑な微細構造へと変化する。しかし、基本組成Al2O3⁄Y3Al5O12共晶体で観察される結晶方位関係<001>コランダム⁄⁄<112>YAG⊥ 凝固方向は維持されていた。一方、Al2O3成分の10mol%をSc2O3 で置換した試料では、ロッド状YAG相が凝固方向に晶出し、共晶体部分は不均一なコロニー状構造となる。この新規な微細構造は、<001>コランダム⁄⁄ <100> YAG⁄⁄凝固方向の結晶方位関係によって構成され、上記基本方位関係と大きく異なる。ロッド状YAG相では、酸素八配位席にScが濃集する。一方、Sc2O3を含むYAG相単結晶では、特にAl2O3成分の少ない領域でScは酸素六配位席に濃集することが判明した。