抄録
地域包括ケアシステムの構築に向けた地域活動には,幅広い視点が必要であるとされているが, 具体的に必要な能力を作業療法士(以下,OT)がどのように認識しているかの報告は少ない.そこで 今回,地域活動実践評価尺度を用いて,OT の生涯教育及び職域拡大への一助とすることを目的に, アンケート調査にて生活行為向上マネジメントの研修修了度及び行政勤務の OT の有無による地域別 での比較を行った.結果,「生活者の課題からの地域課題導出」,「地域の伝統,風土に応じた支援」といった 因子に有意な差を認めた.今後,個別課題への取り組みのみでなく,俯瞰した視点をもって地域課題 の解決へとつなげていく視点の重要性を再認識した.