2010 年 11 巻 p. 13-18
本研究では医療系専門学校に在籍する学生の進学志望動機と学校適応感の関連について検討を行った.その結果,まず,医療系専門学校生の進学志望動機として,「無目的・漠然」「適性考慮」「可能性追求」「他律的動機」「専門性追求」の5つの因子が抽出された.次に,学校適応感の関連について重回帰分析を行ったところ,進学志望動機のうち「適性考慮」「専門性追求」が専門学校生の学校適応感を高め,その一方で「無目的・漠然」は適応感を低めることがわかった.また,「他律的動機」と「可能性追求」は学校適応感には関係しないことが分かった.これらのことから,医療系専門学校を志望する学生への進路指導において「適性考慮」「専門性追求」といった動機付けに焦点を当てるとともに,そうした側面での動機付けを入学後も維持していくような環境作りがその後の学校適応にとって重要となることが示唆された.