高知リハビリテーション学院紀要
Online ISSN : 2433-4553
Print ISSN : 1345-5648
脳血管障害患者における歩行自立のための麻痺側下肢荷重率
明崎 禎輝山﨑 裕司野村 卓生吉本 好延吉村 晋濱岡 克伺中田 裕士
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2007 年 8 巻 p. 27-31

詳細
抄録

脳血管障害片麻痺患者79名を対象に,歩行自立のために必要な麻痺側下肢荷重率について検討した.下肢荷重率の測定には市販用体重計を用い,5秒間安定した保持が可能であった荷重量を体重で除し,その値を下肢荷重率とした.単変量解析では,年齢,麻痺側下肢筋力,下肢Brunnstrom stage,麻痺側下肢荷重率,深部感覚障害の有無において自立群と介助群間で有意差を認めた.ロジスティック解析の結果,麻痺側下肢荷重率のみが自立群に関係する有意な要因であった.Receiver Operating Characteristic曲線による曲線下面積を求めた結果,麻痺側下肢荷重率は自立群を有意に判別可能な評価方法であった.麻痺側下肢荷重率71.0%をカットオフ値とした場合,感度,正診率,陽性適中率のいずれも高い精度で自立群を判別可能であった.脳血管障害片麻痺患者における麻痺側下肢荷重率は,歩行自立度を予測する上で有用な指標と考えられた.

著者関連情報
© 2007 高知リハビリテーション学院
前の記事 次の記事
feedback
Top