コンピュータ&エデュケーション
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特集 デジタル・アーカイヴズと歴史研究・教育
ブロードバンド時代の日本史研究
―学術ポータルサイト開設の必要性―
鵜飼 政志
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2005 年 18 巻 p. 27-33

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抄録

1990年代後半,いくつかの歴史資料館や博物館が,ウェッブサイトを開設したことを契機に,日本史研究の世界でもインターネットに対する関心が高まっていった。ただし,これらサイト開設の背景には,行政改革や大学改革などが関係していた。情報公開・経費削減の観点からインターネットによる情報発信が促進されたのである。その後,多くの日本史関係サイトが開設されていったが,日本語の異体字をシステムフォントでは表現できない問題点や,高解析度の画像を閲覧する場合の接続上の難点は解決されていなかった。今日では,閲覧ソフトの技術革新やインターネット回線の高速化により,日本史関係のサイトも容易に閲覧できるようになった。ただし,歴史資料に関するサイトの構築には,かなりの人員や予算を必要とすることもあり,現在の状況が将来も続くかは不透明である。また,日本史研究者のインターネットに対する関心は,総じて,ネット上の歴史資料情報に限定されがちであり,インターネット全般を研究や教育に利用しようとする学界的な合意はなされていない。そこで筆者は,筆者はインターネット上における日本史関係の諸情報を網羅し,適切なサイトへの接続を可能にする学術ポータルサイト開設の必要性を提言した。

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