コンピュータ&エデュケーション
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論文
「Squeak Toys」によるプログラミング学習における思考過程の構造分析
足立 泰彦 山下 幸二沖林 洋平巖淵 守上田 邦夫
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2008 年 24 巻 p. 64-69

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抄録

本研究は,プログラミング用フリーソフト「Squeak Toys」によるプログラミング学習における思考過程の構造を分析することを目的としたものである。プログラミング時の思考要因を特定するため,プロトコル分析に基づき21項目の調査票を作成し,プログラミング後の高校生に調査票を回答させ因子分析を行った。その結果,プログラミング時の思考内容要因として,「評価点検」「目的遂行」「課題分解」「空間意識」の4つの因子を抽出し,思考のプロセスは次の3つの関係がみられた。(1)「目的遂行」と「課題分解」はお互いに影響しあっている。(2)「目的遂行」と「評価点検」はお互いに影響しあっている。(3)「空間意識」は「目的遂行」と「評価点検」に補完的に作用している。さらに,性格との関連性を調査したところ,「知性」「勤勉性」「外向性」の3特性は思考要因との相関がみられ,そのうち「知性」因子は「課題分解」要因に,「勤勉性」因子は「空間意識」要因に影響を及ぼすことがわかった。

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© 2008 一般社団法人CIEC
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