2019 年 46 巻 p. 82-87
小学校におけるプログラミング教育の必修化を踏まえ,ScratchやVISCUITといったプログラミング教材を活用した実践が行われている。しかし,初めてプログラミングを扱う学校や教員にとっては,操作方法や指導方法が理解しやすく,スムーズに授業へ導入できるプログラミング教材を検討することが大きな課題になると言える。また,活用事例や先行研究を分析していくと,個人作業が中心となりグループ学習に応用しづらい点や人数分・グループ分のタブレットやキットなどの学習環境を整えるコストがかかる点が,プログラミング教育の導入における課題として指摘されている。そこで本研究では,小学校のどの学年でも容易に扱えるフィジカルプログラミング教材を開発し,実践を行った。児童や教員へのアンケート調査の結果,当教材が小学校におけるプログラミング教育の導入教材として有効であることが示唆された。