2020 年 48 巻 p. 88-93
近年,情報機器の普及に伴い,学校現場で情報モラル教育が実施される機会が増加している。この情報モラル教育では,単に危険性を学習者に伝えるだけではなく,自分もトラブルの当事者になりうるという当事者意識を持たせることが重要である。そこで,本研究では,映像教材を視聴する講義型授業とカード教材を使用したワークショップ型授業の2つの教育方法を比較し,学習者のインターネットトラブルへの当事者意識へどのような効果があったかを比較することを目的とした。その結果,カード型教材によるワークショップ型授業では,映像視聴による講義型授業と比較し,コミュニケーショントラブルに関する当事者意識への効果が大きいことが明らかとなった。