2021年度より新学習指導要領にて必修化された中学校でのプログラミング教育について,教職員からは予算・教材・資料の不足等の懸念や,GIGAスクール構想により生徒に1人1台タブレット端末が配備されているが,ICT環境の効果的な利活用への懸念が挙げられている。そこで本研究では,中学校・技術家庭科技術分野「D情報の技術」の実践事例として,低コストで環境構築が可能なmicro:bitとタブレット端末を活用し,基本的なプログラミングの導入のための授業実践を行った。本稿では授業実践での具体的な授業環境や授業内容を紹介し,アンケートと小テスト,授業の様子や教員へのヒアリングから授業実践について評価した。授業実践の結果,タブレット端末の活用によりグループ学習で生徒同士の活発的な教え合いがあり,プログラミングへの取り組みやすさを向上させる可能性を示した。一方で授業時間や難易度について改善の余地が明らかになった。