日本蚕糸学雑誌
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カイコ濃核病ウイルス (山梨株) の化学的性状について
川瀬 茂実蔡 幼民伴戸 久徳関 宏夫
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1984 年 53 巻 4 号 p. 341-347

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抄録
濃核病ウイルス (山梨株) として単離されたウイルスは, 精製後の電顕観察により直径24nmの球形を呈し, ごく一部の粒子には突起が認められた。本ウイルスの核酸はDNAであるが, 核酸を抽出すると, 複鎖のDNAが得られる。これは伊那株と同様の現象により複鎖となると推定した。このDNA標品をアガローズ・ゲル電気泳動にかけると, 2種の複鎖DNAのバンドが認められ, それぞれの分子量は複鎖DNAとして4.0×106と3.8×106ダルトンであった。この2種の複鎖DNSの制限酵素による切断断片から, 両者は明らかに塩基配列の異なったDNA分子種であることが判明した。構成たんぱく質をSDSPAGEで分画したところ, 6種類のたんぽく質が認められ, このパターンは伊那株のそれとは明らかに異なっていた。以上の結果より, 山梨株は2種の濃核病ウイルスの混合物で, それぞれのウイルス粒子は3種類の構成たんぱく質をもつ可能性が高く, 伊那株とは形態, 核酸やたんぱく質の性状が明らかに異なったウイルスであると推定した。
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