抄録
リビング重合による刺激応答性ポリマーの合成について概説する. 最近のリビングラジカル重合の発達により, 刺激応答性ポリマーとして最も研究の進んでいるポリ (N-イソプロピルアクリルアミド) の精密構造制御が可能になった. その結果を利用して, 従来困難であった分子量分布の狭いポリマー, ブロックコポリマー, 末端官能性ポリマー, 種々の形態を有するポリマーが合成された. 本報後半では, 主に筆者らの研究を中心に, リビングカチオン重合および刺激応答性ポリマーの合成について述べる. 重合の新展開としては, ルイス酸の選択による超高速リビング重合系の開発があげられ, ここではFriedel-Crafts反応触媒のレビューとともに1~3秒で完結する新しい重合系について述べる. また, リビングカチオン重合を用いた刺激応答性ポリマーの合成としては, 種々のブロックコポリマーや星型ポリマーなどが, 刺激に高感度に応答してミセルやゲルなどの組織体を選択的に生成する系を紹介する.