抄録
ともにラメラ構造を有するスチレン-2 ビニルピリジン二元ブロック共重合体と,スチレン-d8-イソプレン二元ブロック共重合体の,ずり速度増加後の非定常応力を測定し,ラメラ構造の配向現象を検討した.ずり速度を 2 倍に増加した後の非定常ずり応力 σ(t)をその定常値 σ(∞)で規格化した値は,時間でもひずみでもスケールされないことが明らかになった.さらに σ(t)の極大の現われ方には共通性や規則性が見いだせず,再現性もあまりよくなかった.静置した試料の流動開始後の σ(t)には,比較的大きな極大値が現われたが,流動を反転させた場合にはほとんど瞬時に定常値に達した.この結果は,流動開始時には無配向なので,多数のグレインが配向するが,流動の反転では配向の程度を変える必要がないので瞬時に定常状態に達したと考えれば理解できる.そしてそのことから類推してブロック共重合体の系全体としての平均的な配向度はそれぞれのずり速度で規定されるが,非定常応力は配向するグレインの大きさやその数などによって現われ方が異なってくると理解できる.