1958 年 15 巻 164 号 p. 804-810
過酸化ベンゾイルまたはo-, o'-ジクロル過酸化ペンゾイルを開始剤とし, エタノール中の酢酸ビニル希薄溶液重合を50および60℃で行った。酸素による開始剤の見かけの分解抑制と重合誘導期は平行関係がある。重合速度はモノマー初濃度に関して2次であり, 重合速度と開始剤の分解速度の比d [M]/d [I] は重合末期を除けば重合経過を通じて一定である。比d [M]/d [I] が一定の範囲で開始剤の分解速度は開始剤濃度について見かけ上1次で表わされる。重合物の数平均分子量は低く (数平均重合度にして憩前後), 重合物中の開始剤切片の分率は1より小さい。開始剤ラジカルの重合開始効率は小さく, 0.18前後である。