高分子化學
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高エネルギー放射線によるビニル重合反応
第6報 γ線乳化重合における乳化剤の種類および濃度の影響
稲垣 寛八木 清佐伯 三郎岡村 誠三
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1960 年 17 巻 177 号 p. 37-43

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抄録

Co60 200キューリーを線源とするγ線によりメタクリル酸メチル (MMA), 酢酸ビニル (VAc) およびス千レン (St) の乳化重合を行ない, アニオン性, 非イオン性, カチオン性の各種乳化剤を用いて重合速度および重合度を測定した、重合速度はMMAではカチオン<非イオン<アニオンの順に大となり, VAcではカチオン<アニナン<非イオンの順で同じ条件下の塊状重合に比べて十数倍から100倍以上速いことが認められた。また上記の3種類の乳化剤の濃度を変えて重合した結果, 重合速度および重合度は乳化剤濃度と比例関係を有することを確かめた。Smith-Ewartが触媒乳化重合によって得た次式に本実験値を代入すると, 重合速度より得られた指数n1と重合度より得らた指数n2とは実験誤差以内で一致し, 0.14~0.40を示した。Rp: 重合速度, P: 平均重合度, Cs: 乳化剤濃度

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