1961 年 18 巻 196 号 p. 482-486
インフレーションフィルムの複屈折度 (Δ) とΦ110の間にほぼ直線関係が成立し, ψ110=34゜ではΔ=9×10-3をとることが推定できる。この結果からも大部分のインフレーションフィルムの結晶の配向はKeller TypeIIと考えられる。また厚いフィルムの厚さ方向の複屈折度の測定結果から, フィルムの厚さの方向について結晶の配向は均一とは考えられない。さらに引裂抵抗の温度変化, 引裂き角と結晶配向の関係から結晶部分は機械方向に層状に重なっており, その間に非結晶部分がはさまれて存在するような構造をとっているものと考えられる。