高分子化學
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アクリル繊維の研究
第50報酸性基を有する物質の混合紡糸
高橋 正夫
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1961 年 18 巻 196 号 p. 504-509

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抄録

アクリル繊維の染色性を向上させるために, 酸性基を有する物質の混合紡糸によって酸性基を導入する方法を試みた。紡糸および繊維物性についての知見は次のとおりである。(1) ポリアクリロニトリルとここで用いた酸性基含有物質 (アクリル酸エステル樹脂部分ケン化物, HNO3処理ポリアクリロニトリル, ポリアクリル酸メチル) の混合溶液形成状態は添加量4%の範囲で良好であり, 得られた繊維の不均一性も認められない。(2) 混合物質添加によって, 概して紡糸状態は低下する。(3) 添加によって, 酸性基当量数の増加は達成できるが, 沸騰水処理によるその減少が大きいことが問題である。HNO3処理重合体のPANとの相溶性は比較的良好である。(4) 添加によって繊維の色の熱安定性は劣化する。

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