抄録
軟鋼板と低密度ポリエチレンとの溶融接着板に定たわみ振幅によるくり返し曲げ疲労を与え, 疲労の進行過程にみられる動的弾性率, 損失正接の変化を低周波による両端自由曲げ振動によって測定した.その結果, 変化過程は弾性率が低下する段階, 低下は停止して変化のない段階, 弾性率が回復しはじめ, のち急激に低下する段階が存在し, これらの変化の各段階のはじまる時期, 期間や変化の程度は疲労試験のたわみ振幅の大きさに依存していることがわかった。このような傾向はFRPやFRTPの疲労過程でみられる変化と類似の現象である。変化め原因を未疲労試料および疲労試料のはく離試験の荷重伸び曲線や破断面の比較観察から考察し, 接着境界層付近の破壊過程に基づくことがわかった。