高分子化學
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テトラオキサンのBF3による固相重合
小林 英一東村 敏延岡村 誠三
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1971 年 28 巻 320 号 p. 992-996,1015

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抄録

テトラオキサンのBF3ガスによる固相重合を, 分散媒を使用することなく行なった。テトラオキサンはこの操作でBF3O (C2H5) 2を開始剤とする分散系の固相重合と同様に, モノマー結晶の外形を崩すことなく固相で重合することが明らかとなった。重合初期に生成するポリマーの分子量は小さく, 重合の進行に伴って増大した。この結果は, ポリマーの分別からも支持された。分別の結果はまた, テトラオキサンの固相重合で得たポリマーの分子量分布が非常に広いことを示した。溶融したモノマーを急冷してっくった乱れの多い結晶と, 徐冷してつくった乱れの少ない配向した結晶の重合を比較した。乱れの多い結晶では, 重合が進行してもポリマーの分子量はあまり増加せず, 固相重合では結晶中のモノマーの配列が重合反応に影響を与えることを明らかにした。

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