抄録
N, N-ジメチルエチレンジアミンを重合開始剤とし, L-NCAとD-NCAを交互に重合して, グルタミン酸-γ-メチルエステルの光学的対掌体ブロックコポリマーを合成した。初期重合反応の見かけの活性化エネルギーは, L-Lでは6.35kcal/mol, L-Dでは11.2kcal/molであったが, 重合がさらに進行すると, それぞれ5.37, 5.76kcal/molに低下した。dopeの性状, 再沈殿ポリマーの電子顕微鏡写真, helix-coil転位の挙動などが, ホモポリマーとかなり相違することを認め, ホモポリマーに比し液晶構造をとりにくいことが示唆された。またD-L接合点が2以上あれば, 溶液中でラセミ化合物を形成しにくいことも観察された。dopeを乾式成膜して, コレステリック色を呈さず, 機械的性質に異方性の少ないフィルムを得た。延伸フィルムのβ化率はホモポリマーよりも低い値を示した。