1973 年 30 巻 344 号 p. 727-736
短繊維分散形ガラス繊維強化ナイロン6プラスチック (FRTP) の平板切欠き材をくり返し平面曲げ疲労させたときの応力-くり返し数, き裂長さおよび進展速度とくり返し数, 応力拡大係数とき裂進展速度との関係を繊維混入率, 配向の面から検討し, 繊維のき裂進展の阻止効果を調べ, また乾燥による母材物性の変化のき裂進展に対する影響を調べた。その結果, 流動方向を長手方向に切り取ったたて試料がき裂進展の阻止効果が良好であり, また繊維混入率の増加とともにこの効果は増大し, 乾燥による物性の変化に対しても耐疲労性は低下することはないが, よこ方向 (流動方向と直角) ではその効果は少なく, 乾燥による影響を強く受け, 材料の使用で負荷方向と繊維配向との関係に配慮しなければならないことがわかった。