2020 年 55 巻 1 号 p. 49-57
事例として取り上げる、JR 中央線高架下での一連の取り組み(以降「中央線高架下プロジェクト」)は、地域住民を巻き込んだ「メディア運営」と、高架下遊休スペースの活用による「拠点開発」を連携させたもので、民間鉄道会社が地域を巻き込みながら、自らコミ ュニティスペースの設置、維持管理を行うなど、先駆的だったといえる。そこで本研究では、「中央線高架下プロジェクト」の事例分析を通じ、地域コミュニティの巻き込み及び、拠点開発を通じた地域コミュニティづくりの過程を明らかにした上で、マーケティング理論などを援用することで、地域コミュニティづくりにおける方法論及び有効な知見を得ることを目指した。その結果、地域コミュニティづくりにおいては、ターゲットに応じた段階的かつ、戦術的なアプローチが効果的であることが明らかとなった。