高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
ゾル-ゲル法によるポリビニルアルコール/シリカハイブリッドの調製と物性
矢野 彰一郎古川 健小泊 満生栗田 公夫
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 53 巻 4 号 p. 218-224

詳細
抄録
ポリビニルアルコール (PVA) をテトラエトキシシラン (TEOS) と混合し, ゾルーゲル法によりハイブリッド化した. ハイブリッドのガラス転移温度, Tgは, PVA中に分散されるシリカの量が多いほど水素結合や共有結合により, 高温側に生じた. 応カ-歪の測定を行うと, PVAの引張強度は64MPaであったが, ハイブリッドのそれは, TEOSの初期含有量の増加に伴い増大し, 50wt%で115MPaにまで達した. 動的粘弾性の測定から, 動的弾性率G″の値は. TEOSの量が多くなると高い値を示した. また, PVAのtanδは, 約60℃にTgによる鋭いピークを生じるが, ハイブリッド化することによりピーク強度が低くなり, 高温側へ移動した. PVA/シリカハイブリッドの広角X線回折と小角X線散乱の測定から, 無定形のPVAが, 分岐したシリカ網目と結合を形成し, 局部的にナノメーターオーダーのシリカクラスターが, 分散しているという構造が推定された. 上述のハイブリッドの力学的特性や熱特性は, このような構造が反映されたものと考えられる.
著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top