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個人研究
話し手のTCUの途中に用いられる「へー」とターン取得とのかかわり
関 玲
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2021 年 42 巻 p. 181-198

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抄録

本稿では、話し手がTCU(ターン構成単位)を産出している途中に、受け手によって用いられる「へー」を研究対象とし、「へー」の産出とターン取得とのかかわりを論じた。まず、「へー」が単独で使用される場合、受け手は「へー」を用いて、話し手が伝えた特定の情報をニュース性のあることとして捉えたことを標示することで、話し手にTCUの続きを産出する機会を与えていることがわかった。また、「へー」が他の言語要素と一緒に使用される場合、「一時的」にターン交替が引き起こされ得る一方、ターン交替の競合という現象が引き起こされる場合もあることが明らかになった。いずれの場合においても、「へー」の産出者がどのように「へー」を産出するか、そして「へー」の受け手がどのように「へー」を理解するかによって、相互行為の展開が異なることを示した。

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© 2021 現代日本語研究会
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