ことば
Online ISSN : 2424-2098
Print ISSN : 0389-4878
個人研究
連続テレビドラマの会話文に見られる助詞「たり」の使用
―非例示用法を中心に―
陳 玉
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2022 年 43 巻 p. 57-74

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抄録

本稿は、連続テレビドラマを用いて、現代日本語の助詞「たり」の使用傾向を調査し、その非例示用法を中心に文脈の特徴と発話効果を考察したものである。まず「たり」の使用傾向を示した。並列使用か単独使用かで分類し、55%を単独使用が占めることを明らかにした。並列使用・単独使用を合わせた全体では例示用法が約6割を占めていたものの、単独使用の用例のうち、約7割が非例示用法ということがわかった。さらに、非例示用法の用例について、〈可能性〉〈意外性〉〈評価性〉に分けて、「たり」が用いられる文脈の特徴を提示し、また〈可能性〉〈意外性〉〈評価性〉とそれぞれの文脈との相互作用で生まれる発話効果を考察した。

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© 2022 現代日本語研究会
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