介護分野に技能実習生の受け入れが開始されて久しいが、彼/彼女らは日本語でコミュニケーションができるのかという不安は尽きない。そこで本研究は、現場で介護職員らが技能実習生らと協働する際に感じるコミュニケーションの不安の有無やその所在を明らかにすることを目的とし、技能実習生を受け入れている3つの施設で、技能実習指導員からみた技能実習生の口頭でのコミュニケーションについてインタビュー調査を行った。その結果、実習年数が長くなれば、その分技能実習生らの業務遂行能力が評価され、日本語での相互理解を助ける手立てとなること、実習生の日本語能力の未熟さが業務に支障をきたすと安易に結びつけることはできないこと、そして利用者が話す方言の不理解は、利用者とのコミュニケーションをとるきっかけにもなることが示唆された。