2010 年 2010 巻 57 号 p. 123-126
2007年~2008年に山梨県の施設栽培トマト,キュウリから採集したタバココナジラミの薬剤感受性を検定したところ,供試した2つの個体群において,検定したすべてのステージで高い感受性が認められた剤はニテンピラム水溶剤のみであった。ピリダベンフロアブルとジノテフラン顆粒水溶剤は,卵後期および定着前の静止した1齢期後半幼虫期の薬剤処理では高い感受性が認められたが,それらに比べると成虫の感受性はやや低く,実防除で補完的に使用できると思われた。またジノテフランで常用濃度の10倍希釈濃度における成虫の感受性が著しく低下し,本剤に対する抵抗性個体群の出現が疑われた。ピリフルキナゾン20%WDGによる殺虫活性は成虫および卵後期において高かった。他に卵後期または1齢期後半幼虫期の薬剤処理において,感受性の高い薬剤が9剤あった。