2016 年 2016 巻 63 号 p. 81-86
コレマンアブラバチ (以下コレマンとする) とナケルクロアブラバチ (以下ナケルとする) の併用によるアブラムシ防除効果を施設イチゴにおいて検証した。2014年作では発生初期のワタアブラムシ (以下ワタとする) に対して,両アブラバチを各1頭/m2で放飼した放飼区と無放飼区とでワタの個体数を比較したところ,放飼区では有意に個体数増加が抑制された。2015年作では,各アブラバチを0.5頭/m2で放飼した放飼区と無放飼区との間で接種したチューリップヒゲナガアブラムシ (以下チューリップとする) の個体数を比較したところ,放飼区での個体数は無放飼区に比べて有意に少なかった。また,同時に発生したワタに対しても,有意に個体数増加を抑制した。コレマンはワタのみにマミーを形成したが,ナケルはワタとチューリップの両方にマミーを形成した。これら2事例の結果から,コレマンとナケルの併用により両アブラムシが同時発生しても密度を抑制できる可能性が示唆された。