関東東山病害虫研究会報
Online ISSN : 1884-2879
Print ISSN : 1347-1899
ISSN-L : 1347-1899
病害の部
温水処理と低濃度エタノールによる土壌還元処理を組み合わせたナシ白紋羽病の発病跡地消毒法
髙橋 真秀鈴木 達哉深見 正信
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 2017 巻 64 号 p. 55-58

詳細
抄録

ナシの改植時期である秋冬期に実施可能な白紋羽病発病跡地対策として苗木の定植前に50℃の温水処理と低濃度エタノールによる土壌還元消毒を組み合わせた土壌消毒法を検討した。まず,室内試験で,土壌を還元状態にすることにより白紋羽病菌を死滅できることを明らかにした。その後,圃場において10月下旬~11月下旬に50℃温水で希釈した1%エタノール水溶液を点滴潅水し1か月間被覆したところ,地下50cm に埋設した白紋羽病菌は高い割合(88.9~100%)で死滅した。次に白紋羽病発病跡地において同消毒後にナシ苗木を定植したところ,定植2年目までに枯死した樹は無かった。また,苗木を掘り上げ,根部の発病状況を調査した結果,同消毒後に定植した苗木の感染率は18.2%であり,50℃温水処理の36.4%,フルアジナム水和剤による苗木定植時処理の72.7%よりも低かった。これより秋冬期の白紋羽病発病跡地消毒法の一つとして本消毒法が有効であると考えられた。

著者関連情報
© 2017 関東東山病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top