関東東山病害虫研究会報
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畑作物・野菜の虫害
アブラムシ類の二次寄生蜂の発生に及ぼす防虫ネットと地表被覆シートの影響
長坂 幸吉光永 貴之
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2018 年 2018 巻 65 号 p. 103-105

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抄録

施設野菜のアブラムシ類防除にはアブラバチ類を用いたバンカー法が有効であるが,問題点はバンカー上に二次寄生蜂が増加すると防除効果が低下することである。二次寄生蜂に対する物理的な回避方法として防虫ネットと地表被覆シートの効果について検討した。ギフアブラバチに寄生されたモモアカアブラムシを付けたコマツナのポットを様々な目合いの防虫ネットで被覆して1週間野外に暴露し,羽化してきた二次寄生蜂を同定した。二次寄生蜂の主要種はPachyneuron aphidisSyrphophagus tachikawaiAlloxysta sp. nr victrix であった。これら二次寄生蜂の発生頻度を,4種類(0.4 mm,0.6 mm,0.8 mm,1.0 mm)の目合いの防虫ネット,あるいは同じ0.8 mm目合いで白色と赤色の2種類の防虫ネットと黒色防草シートと光反射シートの2種類の地表被覆シートの組み合わせで比較した。防虫ネットの目合いが細かいほど,二次寄生蜂の発生頻度は有意に減少した。一方,ネットの色と地表被覆シートの種類は二次寄生蜂の発生頻度に有意な影響を及ぼさなかった。

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© 2018 関東東山病害虫研究会
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