2018 年 2018 巻 65 号 p. 130-133
ヤマトイモの栽培において,土壌燻蒸剤処理後の被覆資材にガス難透過性フィルム(VIF)を用いると,農業用ポリエチレンフィルムを用いる場合よりも,クロルピクリン・D-D燻蒸剤の揮発性有効成分であるクロルピクリンおよび1,3-ジクロロプロペンや,カーバムナトリウム塩液剤の揮発性有効成分であるメチルイソチオシアネートの大気放出が抑制された。ヤマトイモに寄生するネコブセンチュウに対する2種類の土壌燻蒸剤の効果を検討した結果,クロルピクリン・D-D燻蒸剤はカーバムナトリウム塩液剤よりも高い防除効果が認められた。一方,被覆資材に農業用ポリエチレンフィルムの代わりにVIFを用いてもネコブセンチュウ防除効果の向上は見られなかった。