2021 年 68 巻 1 号 p. 47-52
施設野菜に共通した害虫であるアブラムシ類の防除のために,次世代型バンカー資材キットが開発されている。この資材キットでは,コレマンアフブラハバチとナケルクロアブラバチを併用することで多様なアブラムシ類への対応を可能とし,ムギ株上にマミーと代替寄主となるアブラムシを付着させた状態のバンカー型製剤により,生産者が簡易にバンカー法を実施できるように工夫されている。近年,アザミウマ類やコナジラミ類に対して天敵タバコカスミカメの活用が検討されており,次世代型バンカー法との併用が想定される。そこで,施設ナスとトマトにおいて次世代型バンカー法とタバコカスミカメの併用の可能性を確認するために,実験ハウス 4 棟(面積約 0.5 a)を用いて,バンカー設置(コレマン 0.5 頭/㎡,ナケル 0.5 頭/㎡)と無設置,タバコカスミカメの放飼(株あたり 0.5 頭)と無放飼の組み合わせで,害虫密度を比較した。施設ナスではワタアブラムシとネギアザミウマ,施設トマトではワタアブラムシとチューリップヒゲナガアブラムシ,タバココナジラミを接種した。その結果,ナスのワタアブラムシ,トマトのワタアブラムシとチューリップヒゲナガアブラムシともに,バンカー設置により有意にアブラムシ密度が抑えられ,タバコカスミカメによる密度抑制効果への影響は認められなかったため,両天敵は併用可能であると考えられた。