2021 年 68 巻 1 号 p. 66-69
栃木県や徳島県のモモをはじめバラ科植物で被害を生じている特定外来生物クビアカツヤカミキリにおいて,メス成虫の産卵選好と寄主植物の化学的因子の関与について調査した。バラ科植物 3 種と非寄主植物 1 種のそれぞれの切枝上でのメスの滞在頻度は寄主植物のほうが高かった。モモ切枝のにおいへのメスの定位率を調査した結果,においなしと比較して有意にモモ枝のにおいがあるほうが高かった。また,モモ切枝のにおい存在下でメスの産卵行動を調べたところ,においなしと比較して産卵数が多い傾向が認められた。この結果はモモ切枝のにおいにメスの定位行動および産卵行動を解発する化学的因子が含まれている可能性があることを示すものである。