2023 年 70 巻 p. 65-70
カラー粘着トラップに対するイチモンジセセリ成虫の誘引性について検討するため,水田内に黄色,青色,白色,白色板に青色の格子模様(以下,白色青格子)の粘着板を設置して捕獲数を調査した。イネの草冠高に粘着板を垂直に設置した場合,青色粘着板における成虫捕獲数が最も多く,次いで白色粘着板または白色青格子粘着板で多く,黄色粘着板は少なかった。粘着板の設置方法や設置場所について検討したところ,青色粘着板を垂直に設置したトラップで多く捕獲される傾向にあり,畦畔際と比べて水田内で捕獲数が多かった。また,粘着剤の種類や粘着剤の塗布方法による捕獲効率への影響について調べたところ,ポリエチレン製フィルムを被覆して粘着剤を塗布した粘着板では,カラー板に直接粘着剤を塗布した場合と比べて捕獲数が減少した。本種成虫のみのモニタリングを目的とする場合は青色粘着板を垂直に設置し粘着剤を直接塗布したトラップが適していると考えられた。また,白色粘着板は青色粘着板より捕獲数は少ないものの,水稲害虫複数種の発生消長を効率的に把握するための調査用トラップ資材として活用可能と考えられた。