2023 年 70 巻 p. 78-80
ワサビ田で栽培される水ワサビの育苗では,化学合成農薬の適用が少なく,「野菜類」に適用のある気門封鎖型農薬が主に使用されている。しかし,静岡県内の生産者から気門封鎖剤による防除効果が低いとの意見がある。そこで,育苗時に問題となるモモアカアブラムシに対して,気門封鎖型農薬4剤(オレイン酸ナトリウム液剤,デンプン液剤,還元澱粉糖化物液剤,ソルビタン脂肪酸エステル乳剤),微生物農薬1剤(ボーベリア・バシアーナ乳剤),化学合成農薬1剤(ジノテフラン顆粒水溶剤)を茎葉噴霧により防除効果を調査した。一方,畑で栽培される畑ワサビでは,「野菜類」と「畑ワサビ」に加え「非結球あぶらな科葉菜類」に適用のある農薬が使用可能であり,これらのうちから化学合成農薬6剤(アセフェート水和剤,アセタミプリド顆粒水和剤,イミダクロプリドフロアブル,クロチアニジン水溶剤,ジノテフラン顆粒水溶剤,フロニカミドDF)について葉片浸漬により殺虫効果を調査した。気門封鎖型農薬,微生物農薬,化学合成農薬の茎葉噴霧ではすべての剤で補正密度指数が5.7以下であった。化学合成農薬の葉片浸漬では,剤の種類により差が見られアセフェート水和剤,アセタミプリド顆粒水和剤は7日後の補正密度指数が6.1以下であった。一方,ジノテフラン顆粒水溶剤,フロニカミドDFの7日後の補正密度指数は,それぞれ24.2,33.3であった。